昨日の疲れが嘘のように、朝は気持ちよく目が覚めた。
1階へ降りると既に朝食が準備され、パン、フルーツ、バター、ミルク、フルーツジュースなどがテーブルに綺麗に並べられていた。食器やテーブルクロス、装飾品はアンティークなデザインで、どこか懐かしいおばあちゃんの家に来たような気持ちになった。昨日出迎えてくれた女性が色々と語りかけてきて、胸に手をあて「Maria」と 名乗った。私も同じように「Emi」と答えると、笑顔を返してくれた。
Maria が温かいコーヒーと、目玉焼きを運んでくれた。「おっ、これがかの有名なキューバンコーヒーね。」
小さなカップに黒々としたコーヒーが注がれる。砂糖を多めに入れて味わう。「う~ん。美味しい!」普段はブラックコーヒ派だが、これはいける。ゆったりとした朝食を終え、今日のツアーの集合場所に向かうことにした。
家を一歩でると、眩しい太陽が飛び込んできた。通りには沢山の人が行き交い、いろんな音が耳に飛びこんでくる。どこからか流れてくる音楽、自転車の音、人の笑い声。朝から町は活気に満ち溢れ、ワクワクしてきた。 集合場所は、「ビエハ広場」だ。広場はカラフルな建物が立ち並び、どこを撮っても絵になるほど美しい。
今日のツアーは、全部で7人のグループだ。私と同じように一人で参加している人もいるようで嬉しい。日本語ガイドのともよさんは小柄な女性で、肌は真っ黒に日焼けしている。見かけからして、いかにも現地のガイドさんといった感じだ。
午前中は徒歩観光で、ハバナの主要な観光スポットをガイドさんの丁寧な解説付きで巡った。ガイドブックに載っている場所に行くとたまらなく興奮が高まった。
お目当てだったヘミングウェイ行きつけのバー「ボデギータ・デ ル・メディオ」で名物の「モヒート」も飲むことができた。のんびり日向ぼっこをする犬、家の前に座り気持ちよさそうに葉巻をくゆらせる老人、音楽に合わせて踊る人々。カサのMariaもそうだが、キューバ人の表情は優しく穏やかだ。
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